おかげさまで Shimizu Dental Clinic は開業10周年を迎えることができました。

これまで通ってくださった患者さん、日々支えてくれているスタッフ、技工士の皆さん、そして関係者の方々に心より感謝申し上げます。

10年という節目を迎え、これまでを振り返る機会が増えました。その中で改めて感じているのは、診療の技術や材料は進歩しても、私自身が大切にしている考え方は変わっていないということです。

私が子どもの頃、家電やおもちゃの取扱説明書には「末永く大切にお使いください」という言葉がよく書かれていました。しかし最近は、あまり見かけなくなったように感じます。

時代の変化や製品を取り巻く考え方の変化もあり、買い換えが一般的になった今、こうした表現はあまり見かけなくなりました。

ですが、歯はそう簡単に交換できるものではありません。

だからこそ私たちは、悪くなった部分を治すだけではなく、できるだけ長く使い続けるためにはどうすればよいかを考えます。しかし、歯の寿命を延ばしたいと全力を尽くしても、人間の体には限界を感じることもあります。だからこそ、歯を失う時期をできるだけ後ろへずらし、食べる、話す、笑うといった口腔機能を長く維持することを目指す診療姿勢を徹底してきました。

この10年間、多くの学びの機会にも恵まれました。

2023年には、タッカースタディクラブ次総会を東京で開催し、海外から100名を超える志を同じくする仲間が来日し、実際の診療を通して共に学ぶ機会がありました。

タッカースタディクラブ 2023年年次総会 での診療風景

2024年、2025年、学会にあわせてシアトルとカナダで尊敬する先輩の医院を訪れ、久しぶりにアシスタントとして診療のすぐそばに立ちながら、その治療を見学させていただきました。

尊敬する先輩方の診療所を訪問し、現場で学び直した時間(タッカー先生)

そして、台湾で教育に携わる機会をいただき、かつて私の指導者であった Dr. Stevenson と、同じ講師として受講生を指導する経験をしました。その際にいただいた「今、ユウイチロウが私と同じステージに立っていることが本当に嬉しいよ」という言葉は、私にとって大きな励みとなりました。

台湾での教育活動。学ぶ立場から伝える立場へ

しかし、こうした経験を重ねる中でも、私の結論は変わりませんでした。

大切なのは、流行の治療法を追いかけることではなく、現在の状態を正しく把握し、その原因を探り、原因に介入し、必要な治療を行い、その後も維持管理を続けることです。これは当院が掲げる Shimizu Method の考え方そのものです。

10年前も、そして今も、私たちが守りたいのは歯そのものではありません。その先にある患者さんの健康と幸せです。食事を楽しみ、人と会話をし、笑顔で過ごせる時間をできるだけ長く支援することが、私たちの使命です。

10周年は通過点に過ぎません。

これからも学び続けながら、患者さんとともに、食べる、話す、笑うという大切な機能を長く維持できるよう取り組んでまいります。

そして10年後にも、「通っていて良かった」と感じていただける歯科医院であり続けたいと思っています。

今後とも Shimizu Dental Clinic をよろしくお願いいたします。