究極のメタルフリーは「自分の歯」
当院は、確実性の高いメタルフリー診療を提供できる一方、最も大切なのは自分の歯であると考えています。
担当衛生士制の予防歯科がメタルフリー治療のファーストステップとなります。歯を一切削らずに白くする歯のホワイトニングや、歯を削る量が最も少ないダイレクトボンディングなどが、治療の候補として上がってきます。
既に多くの歯を失ってしまった場合は、セラミックスを使った治療を候補に入れて治療計画を立案していきます。
メタルフリー治療とは
従来の歯科治療では、金属を使った素材を用いるのが一般的でしたが、歯科材料の発展によって、金属を使わない治療が実用的になってきました。このような、金属(メタル)を使わない歯科治療のことを、「メタルフリー治療」と呼びます。
メタルフリー治療の目的
メタルフリー治療を行うには、大きく3つの目的があります。
- 金属不使用の素材に付け替えることで、金属アレルギーの症状改善のため
- 金属不使用の治療を行い、金属アレルギーを予防するため
- 金属不使用のセラミックス素材による治療で審美性を向上させるため
金属アレルギーの方に有効な「メタルフリー治療」
日本での歯科治療において、銀歯と呼ばれるパラジウム合金は、虫歯の治療法としてもっともポピュラーな方法のひとつです。保険適用で安価に治療でき、強度が高いというメリットがありますが、一方で、見た目の悪さや金属アレルギーの原因になるといったデメリットもあります。とくに金属アレルギーは、体にさまざまな不調をもたらすため、十分な注意が必要です。
金属アレルギーの原因
人間の体には、体内に入ってきた有害物質(抗原)をやっつけるため、対抗する物質(抗体)をつくって防御しようという働きがあります。これを「免疫」と言います。この機能がうまく働かなくなり、本来は有害でないものにも過剰反応を起こすことがあります。これが「アレルギー」です。金属アレルギーの原因は、金属のイオンです。金属イオンも、本来、アレルギーの原因となることはありません。しかし、金属イオンに対して体が過剰反応してしまうことで、炎症やただれといった症状が出てきてしまうのです。
金属アレルギーの症状
お口に銀歯を入れている場合、金属が常にお口の中で唾液や体液と触れることになり、それによって金属イオンが溶け出して、アレルギー症状を引き起こすことがあります。銀歯による金属アレルギーの症状には以下のようなものが挙げられます。
お口の症状
- 金属イオンが溶け出すことによる歯ぐきの黒い着色
- 味覚異常や知覚異常
- 口内炎、口唇炎、舌炎 など
全身の症状
- アトピー性皮膚炎
- 接触性皮膚炎
- 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう/手のひらや足の裏などにできる水ぶくれ) など
現在は上記のような症状が出ていないか場合でも、お口に中に金属があるかぎり、金属イオンの溶出は進み、少しずつ確実に体内に蓄積されていきます。症状がないから大丈夫とはかぎらないため、十分な注意が必要です。
“金属”以外のアレルギーにも注意
歯科治療のアレルギーは“金属”がすべてではありません。実は、メタルフリー治療で使う接着材でも、アレルギーを起こすことがあります。歯を接着させるときに使う、「レジンモノマー」という材料は、レジンアレルギーの原因となるほか、刺激性が強く、触れた部分に炎症を起こすこともあります(非アレルギー性接触性皮膚炎)。金属アレルギーだけでなく、仮歯などのプラスチック系、樹脂系材料で、お口の中がただれた経験のある方は、遠慮なくご相談ください。
金属アレルギーの治療
銀歯などが原因ですでに金属アレルギーの症状が出ている方には、以下の処置・治療を行い、症状の改善を図ります。
抗原除去療法
原因となる金属(歯科治療の金属など)を取り除くことで、アレルギー反応を抑える治療法です。金属アレルギーに対する、現在、もっとも一般的な治療法です。
減感作療法
原因となる物質を少しずつ体内に取り込むことで、アレルギー物質への耐性を上げ、過剰反応を減らす治療法です。一般的に、アレルギーに対して有効な治療法とされていますが、金属アレルギーに対してはあまり有効でないという意見もあります。
メタルフリー治療に使う材料
セラミックス
陶材のみでつくられた素材や、人工ダイヤモンドの材料になるジルコニアなど、科学的に安定した素材「セラミックス」を用いたメタルフリー治療です。当院ではジルコニアのみで作られたジルコニアインプラントも取り扱っております。
ダイレクトボンディング
歯科用の強化レジンを用いた治療です。虫歯が比較的小さく、レジンアレルギーのない方に対して行います。
グラスファイバー(ファイバーコア)
人工歯を支える土台(コア)に、金属ではなくグラスファイバーを用います。見落としがちな土台部分からもメタルフリー治療をサポートします。
部分入れ歯のバネ
通常の部分入れ歯では、金属が用いられる「バネ」の部分を樹脂製のものに変更し、「メタルフリー入れ歯」を作成します。
「日本メタルフリー歯科学会」認定医が診療します
当院院長・清水雄一郎は、より安全で審美的にもすぐれるメタルフリー治療の提供を目指す「日本メタルフリー歯科学会」の認定医。メタルフリー治療における知識と専門的技能を有することを認められたエキスパートです。長く使えて見た目もよく、かつ高い安全性を実現できる、セラミックス素材を用いたメタルフリー治療をご提供します。もし現在銀歯をご利用で、すでに上記に該当する症状が出ている方、またはこれからが心配だという方は、症状が出る前に、ぜひ当院までご相談ください。