東京歯科大学同窓勉強会、東京医科歯科大学卒業生勉強会と、今年は、大人数の前でお話できる機会が多く、毎日の診療と合わせて大変に充実した日々を送っています。
先日は、卒業後~30代前半の歯科医師・衛生士、111名を前にして、歯科留学メンバーで講演をしてきました。
7人が登壇した中で、私のテーマは、
・アメリカ留学を決意したきっかけ
・留学中に学んだこと
・世界で最も長持ちするゴールドを用いた虫歯治療
アメリカ留学を決意したきっかけは、元々はインプラントを学ぶことでした。卒業後、日本で診療をしていると、既に歯を失っている患者さんに出合うことが多く、インプラント治療を身につければ、そのような方を助けられる!と考えたからでした。
ところが、留学中に出合った、タッカー先生によるゴールドを用いた虫歯治療に感銘を受け、考えを180度変えました。
もちろん材料によって異なりますが、虫歯治療は「10年持てば成功」と言われています。しかし、タッカー先生は、「10年で再治療になったら失敗」と言う考え方で治療に取り組んでいます。成功に対する基準が全く異なるわけです。
その話を聞いた後には、「歯を失った人を助ける歯科医師より、歯を失わない人を増やせる歯科医師になろう!」
インプラント・審美歯科を売りにしている歯科医院はたくさんあります。しかし、本気で歯を残そうと取り組んでいる歯科医院は、まだまだ少数派です。
もちろん、インプラントも入れ歯もしっかりと勉強していますので、きちんと対応することはできます。しかし、何より大切にしたいのは、患者さんの歯をできるだけ長く残していくこと。ここに、歯科医師としての生きがいを最も感じます。
お金のための歯科医療ではなく、幸せのための歯科医療を本気で考えられる若い歯科医師を、このような講演を通して、育てていきたいと思います。
清水 雄一郎